静かなはずのノートパソコンから、「ブーン」「ウィーン」という音が鳴り止まない。作業中ずっと耳につき、集中できない——富士通LIFEBOOKを使っていて、そんな経験はありませんか?
ファン音が気になる原因は、内部のホコリ蓄積やCPU負荷の上昇、あるいは設定が最適化されていないことなど、実はさまざまです。しかし富士通のノートパソコンには、ファンの動作を制御する静音ユーティリティという純正機能が用意されており、設定変更だけで改善できるケースが少なくありません。
この記事では、富士通公式サポート情報をもとに、ファンがうるさくなる原因の特定方法から、静音ユーティリティ・BIOS設定の変更手順、ファン掃除のやり方、そして故障かどうかの見分け方まで段階的に解説します。
読み終える頃には、自分のパソコンに最適な対処法が分かり、静かな作業環境を取り戻すための具体的なアクションが明確になるはずです。
結論からいえば、多くの場合は静音ユーティリティの設定または排気口の掃除で改善します。まずは分解不要な方法から試してみてください。
富士通ノートパソコンのファンがうるさい原因
ファンがうるさくなる原因は、大きく分けて4つあります。まずは自分の状況がどれに該当するか確認しましょう。
ホコリの蓄積による排熱効率の低下
最も多い原因が内部に溜まったホコリです。
ノートパソコンは吸気口から外気を取り込み、CPUやGPUなどの発熱部品を冷却しています。使用期間が長くなると、ファンや排気口にホコリが蓄積し、空気の流れが悪くなります。
排熱がうまくいかないと、パソコン内部の温度が上昇し、ファンが高速回転して冷却しようとします。結果として、常にファンが全開で回り続ける状態になるのです。
購入から1〜2年以上経過している場合は、ホコリの蓄積を疑ってみてください。
CPU負荷の上昇(常駐ソフト・バックグラウンド処理)
パソコンの処理負荷が高い状態が続くと、CPUの発熱量が増え、それを冷やすためにファンが高速回転します。
⚠️ 負荷が高くなりやすい状況:
- Windows Updateが裏で実行されている
- ウイルス対策ソフトがスキャン中
- 複数のアプリを同時に起動している
- ブラウザで大量のタブを開いている
- 動画編集やゲームなど高負荷な作業をしている
特にWindows Update直後は、バックグラウンドでインデックス作成やドライバ更新が行われるため、一時的にファン音が大きくなることがあります。
室温や設置環境の問題
パソコンを使用している環境も、ファン音に影響します。
❌ 避けるべき設置環境:
- 直射日光が当たる場所
- エアコンの効いていない夏場の室内
- 布団やクッションの上(吸排気口が塞がれる)
- 壁際で排気口が塞がれている状態
ノートパソコンの多くは底面や側面に吸排気口があります。柔らかい素材の上に置くと通気が妨げられ、内部温度が上昇してファンが高速回転します。
ファン自体の劣化・故障
使用年数が長いパソコンでは、ファンそのものの劣化が原因になることもあります。
ファンは回転部品であるため、長期間使用すると軸受けが摩耗したり、グリスが劣化したりします。この場合、回転時に「カラカラ」「ガリガリ」といった異音が発生することがあります。
異音を伴う場合は、設定変更や掃除では解決できません。ファンの交換が必要になるため、後述する「故障を見分ける方法」を参考にしてください。
設定変更でファン音を静かにする方法【富士通LIFEBOOK対応】
富士通のノートパソコンには、ファンの動作を制御する方法がいくつか用意されています。掃除の前にまずソフトウェア設定での改善を試してみましょう。
静音ユーティリティの使い方
静音ユーティリティは、富士通が提供する純正アプリで、CPUファンの回転を調整して動作音を静かにできます。
対応モデルの確認方法(AH/NH/CH/UHシリーズなど)
静音ユーティリティは、2018年11月発表モデル以降のLIFEBOOKに対応しています。
✅ 対応シリーズ(一例):
- LIFEBOOK AHシリーズ(AH53、AH77など)
- LIFEBOOK NHシリーズ
- LIFEBOOK CHシリーズ
- LIFEBOOK UHシリーズ
- FMV Note E / M / Uシリーズ
自分のパソコンが対応しているかは、FMVサポートの静音ユーティリティ設定ページで確認できます。
静音ユーティリティの設定手順
Windows 11の場合:
- 「スタート」→「設定」をクリック
- 左メニューから「Extras」を選択
- 「静音ユーティリティ」をクリック
- 「静音モード」を選択
Windows 10の場合:
- 「スタート」→「設定」→「Extras」をクリック
- 「静音ユーティリティ」を選択
- 「静音モード」を選択
設定後、ファンの回転数が抑えられ、動作音が静かになります。
静音ユーティリティがない場合のダウンロード・インストール方法【Windows11対応】
一部のモデル(LIFEBOOK CHシリーズ、LIFEBOOK EHの2020年10月〜2022年10月・11月発表モデル)では、購入時の状態で静音ユーティリティがインストールされていません。
📥 インストール手順:
- BIOSを最新バージョンにアップデートする(BIOSが古いと静音ユーティリティが動作しない)
- Microsoft Storeで「静音ユーティリティ」を検索してインストール
- インストール後、「設定」→「Extras」から起動
「ご使用の環境では静音ユーティリティはお使いになれません」と表示される場合は、BIOSのバージョンが古い可能性があります。FMVサポートのBIOSアップデート方法を参考に、最新のBIOSに更新してください。
静音モードのデメリット(パフォーマンス低下について)
静音モードを有効にすると、ファンは静かになりますが、CPUのパフォーマンスが制限されます。
| モード | ファン音 | CPUパフォーマンス | 推奨シーン |
|---|---|---|---|
| 通常モード | 大きめ | 最大 | 動画編集、ゲーム、重い処理 |
| 静音モード | 静か | 制限あり | 文書作成、Web閲覧、動画視聴 |
静音モードでは、動画編集やゲームなど高い処理能力を必要とする作業が正しく動作しないことがあります。負荷の高い作業を行う際は、一時的に「通常モード」に戻すことをおすすめします。
BIOS設定でFANコントロールをサイレントに変更する方法
静音ユーティリティに対応していない古いモデルでも、BIOS設定からファンの動作を変更できる場合があります。
📝 設定手順:
- パソコンの電源を入れ、起動直後にF2キーを連打してBIOSセットアップに入る
- 「詳細」タブを選択
- 「各種設定」を選択してEnterキーを押す
- 「FANコントロール」の項目を探す
- 「通常」から「サイレント」に変更
- F10キーを押して保存・終了
⚠️ 注意点:
- BIOS画面の構成は機種によって異なります
- 「FANコントロール」の項目がない機種もあります
- サイレントモードでも、高負荷時はファンが回転します
Windows電源設定で冷却ポリシーを変更する方法
Windows側の電源設定を変更することで、ファンの動作を抑えられる場合があります。
📝 設定手順(Windows 11):
- 「スタート」を右クリック→「電源オプション」を選択
- 「電源の追加設定」をクリック
- 使用中のプランの「プラン設定の変更」をクリック
- 「詳細な電源設定の変更」をクリック
- 「プロセッサの電源管理」→「システムの冷却ポリシー」を開く
- 「アクティブ」を「パッシブ」に変更
- 「適用」→「OK」をクリック
| 冷却ポリシー | 動作 |
|---|---|
| アクティブ | 温度上昇時にファンを優先的に回す |
| パッシブ | ファンを回す前にCPU速度を下げて発熱を抑える |
「パッシブ」に設定すると、ファンが回り始めるタイミングが遅くなり、静かになります。ただし、CPUの処理速度が制限されるため、動作が遅く感じることがあります。
富士通ノートパソコンのファン掃除方法
設定を変更してもファン音が改善しない場合は、内部のホコリが原因の可能性があります。掃除で排熱効率を回復させましょう。
ファン掃除に必要な道具
🔧 用意するもの:
- エアダスター(スプレー缶タイプ)
- 綿棒
- 精密ドライバー(分解する場合)
- 静電気防止手袋(分解する場合)
- 柔らかいブラシ
エアダスターは家電量販店や100円ショップで購入できます。パソコン内部の掃除にはノズル付きのものが便利です。
分解せずにできる掃除(排気口のエアダスター清掃)
分解に自信がない場合は、外側からの掃除だけでも効果があります。
📝 手順:
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- バッテリーが取り外せる機種は、バッテリーも外す
- パソコンの排気口(通常は側面や背面)を確認する
- 排気口にエアダスターを吹きかけ、ホコリを吹き飛ばす
- 吸気口(通常は底面)にもエアダスターを吹きかける
⚠️ 注意点:
- エアダスターは必ず缶を立てた状態で使用する(液体が出るのを防ぐ)
- ファンに向かって強く吹きすぎない(ファンが高速回転して破損する可能性)
- 屋外やベランダで作業すると、ホコリが飛び散っても安心
分解して行うファン清掃の手順と注意点
排気口からの掃除で改善しない場合は、裏蓋を開けてファンを直接掃除する方法があります。
📝 一般的な手順(LIFEBOOK AHシリーズの例):
- パソコンの電源を切り、電源ケーブルとバッテリーを外す
- 電源ボタンを5秒間押して内部の残留電気を放電する
- 裏面のネジをすべて外す(ネジの位置と種類を写真に記録しておく)
- 裏蓋を慎重に外す(ツメで固定されている場合はマイナスドライバーで少しずつ外す)
- ファンが見えたら、エアダスターと綿棒でホコリを除去する
- ヒートシンク(金属の放熱板)のホコリも取り除く
- 逆の手順で組み立てる
⚠️ 重要な注意点:
- 分解するとメーカー保証が無効になる場合があります
- LIFEBOOKは機種によって分解難易度が大きく異なります
- 静電気はパーツを破損させるため、作業前に金属に触れて放電する
- ネジを外す前に必ずスマホで写真を撮っておく
- 無理に分解しようとせず、難しいと感じたら業者に依頼する
分解に不安がある場合は、パソコン修理業者への依頼を検討してください。ファン清掃であれば、5,000〜10,000円程度で対応してもらえるケースが多いです。
ファンが止まらない・回りっぱなしの場合の対処法
設定変更や掃除をしてもファンがずっと回り続ける場合は、CPU負荷が原因の可能性があります。
タスクマネージャーでCPU使用率を確認する
まず、何がCPUを使っているのか確認しましょう。
📝 確認手順:
- キーボードで「Ctrl + Shift + Esc」を同時に押す
- タスクマネージャーが開いたら「プロセス」タブを確認
- 「CPU」の列をクリックして、使用率が高い順に並べ替える
- 使用率が常に30%以上のプロセスがあれば、それが原因
パソコンが頻繁にフリーズする原因と対処法でも解説していますが、CPU使用率が高い状態が続くと、ファンだけでなくパソコン全体の動作にも影響します。
不要な常駐ソフトを停止する
バックグラウンドで動作しているソフトが原因の場合は、停止することで改善します。
📝 停止手順:
- タスクマネージャーで負荷の高いプロセスを右クリック
- 「タスクの終了」を選択
常に起動時から動いている常駐ソフトを無効にするには:
- タスクマネージャーの「スタートアップアプリ」タブを開く
- 不要なアプリを選択し「無効にする」をクリック
Windows Updateの完了を待つ
Windows Update実行中は、一時的にCPU負荷が高くなるのは正常です。
📝 確認手順:
- 「スタート」→「設定」→「Windows Update」を開く
- 「更新プログラムのチェック」で状態を確認
- 「再起動が必要です」と表示されていれば、再起動して更新を完了させる
特に大型アップデート後は、バックグラウンド処理が数時間続くことがあります。1日程度様子を見てください。
ノートPCクーラー(冷却台)で排熱を補助する
内部の掃除や設定変更で改善しない場合は、外部から冷却を補助する方法があります。
ノートPCクーラー(冷却台)は、パソコンの底面にファンを当てて冷却効果を高めるアクセサリです。2,000〜5,000円程度で購入でき、以下のような効果があります。
✅ ノートPCクーラーのメリット:
- パソコン内部のファン回転数を下げられる
- 本体の底面を浮かせるため通気性が向上
- 長時間使用時の熱だまりを防ぐ
特に夏場や、机の上に直接置いて使っている場合は効果的です。
ファンの異音で故障を見分ける方法
ファン音が「うるさい」だけでなく、異音がする場合は故障の可能性があります。音の種類で判断しましょう。
正常なファン音の特徴
正常に動作しているファンは、以下のような音がします。
✅ 正常な音:
- 「ブーン」「ウィーン」という風切り音
- 負荷に応じて音の大きさが変化する
- 扇風機や換気扇と似た、一定のトーンの音
これらの音は、ファンが正常に回転している証拠です。音が大きくても「異常」ではなく、冷却のために必要な動作です。
故障が疑われる異音パターン(カラカラ・ガリガリ・ジジジ)
以下のような音がする場合は、故障の可能性があります。
| 異音の種類 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| カラカラ・カタカタ | ファンの軸受け摩耗、異物混入 | ファン交換が必要 |
| ガリガリ・ゴリゴリ | ファンの羽が何かに接触している | 分解点検または修理 |
| ジジジ・ビビビ | 振動によるパーツの共振 | ネジの緩み確認、修理 |
| キーン(高周波音) | 電子部品の異常 | 修理が必要 |
これらの異音は、設定変更や掃除では解決できません。早めに修理を検討してください。
ファンエラーが表示されたときの対処法
起動時に「CPU Fan Error」や「ファンエラー」と表示される場合は、ファンが正常に動作していない可能性があります。
📝 対処手順:
- 一度電源を切り、10秒待ってから再起動する
- 排気口にホコリが詰まっていないか確認し、エアダスターで掃除する
- 改善しない場合は、BIOSでファンの設定を確認する
それでもエラーが表示される場合は、ファン自体の故障が考えられます。修理または交換が必要です。
ファンエラーを放置した場合のリスク
ファンエラーを無視して使い続けると、深刻な問題につながります。
⚠️ 放置のリスク:
- CPUやGPUが熱暴走を起こす
- パソコンが突然シャットダウンする
- 基板やストレージが熱ダメージを受けて故障する
- 最悪の場合、発火・発煙の危険性がある
ファンエラーが頻繁に表示される場合は、使用を控えて早めに修理に出してください。
修理・買い替えを検討すべきタイミング
設定変更や掃除で改善しない場合、修理または買い替えを検討するタイミングです。
ファンの寿命の目安
ノートパソコンのファンの寿命は、一般的に3〜5年程度といわれています。
使用環境(室温、ホコリの多さ)や使用時間によって大きく変わりますが、購入から4〜5年以上経過していてファンに異常がある場合は、寿命が近いと考えてよいでしょう。
修理に出す場合の費用目安
ファンの交換修理を業者に依頼した場合の費用目安は以下のとおりです。
| 修理内容 | 費用目安 |
|---|---|
| ファン清掃のみ | 5,000〜10,000円 |
| ファン交換 | 10,000〜20,000円 |
| ファン交換+グリス塗り替え | 15,000〜25,000円 |
富士通の純正修理は高額になる傾向があるため、街のパソコン修理店に依頼するとコストを抑えられます。ただし、保証期間内の場合はメーカー修理の方が安く済むこともあります。
買い替えを検討すべき状態
以下の条件に複数該当する場合は、修理より買い替えの方がコストパフォーマンスが良い可能性があります。
❌ 買い替えを検討すべき状態:
- 購入から5年以上経過している
- ファン以外にも不調がある(バッテリー劣化、動作が遅いなど)
- 修理費用がパソコンの中古価格を超える
- Windows 11に対応していない古いモデル
特にWindows 10のサポートが2025年10月に終了するため、Windows 11に対応していない古い機種は、これを機に買い替えを検討するのも一つの選択肢です。
よくある質問
- 新品なのにファンがうるさいのは初期不良?
-
新品でもファンが回ること自体は正常です。特に初回セットアップ時やWindows Update中は、バックグラウンド処理でCPU負荷が高くなり、ファンが高速回転します。購入後1〜2日経っても改善しない場合は、静音ユーティリティで「静音モード」に設定してみてください。
- 静音ユーティリティが「お使いになれません」と表示される場合は?
-
BIOSのバージョンが古いことが原因です。FMVサポートから最新のBIOSをダウンロードしてアップデートしてください。アップデート後に再度起動すれば、使えるようになります。
- ファンがずっと回りっぱなしなのは異常?
-
必ずしも異常ではありません。CPU負荷が高い状態が続いていれば、ファンが常に回るのは正常な動作です。タスクマネージャーでCPU使用率を確認し、何も作業していないのに高い場合は、不要な常駐ソフトを停止してください。
- ブーンという音は故障のサイン?
-
「ブーン」という風切り音は、ファンが正常に回転している音です。異音(カラカラ、ガリガリ、キーンなど)でなければ故障ではありません。音が気になる場合は、静音ユーティリティやBIOS設定で回転数を下げることで軽減できます。
まとめ
富士通ノートパソコン(LIFEBOOK)のファンがうるさい場合、まず静音ユーティリティで「静音モード」に設定することで改善できるケースが多いです。対応モデルでない場合や設定項目がない場合は、BIOS設定のFANコントロールやWindows電源設定の冷却ポリシーを変更してみてください。
設定変更で改善しない場合は、排気口やファンのホコリが原因の可能性があります。まずは分解せずにエアダスターで掃除し、それでも改善しなければ裏蓋を開けての清掃を検討してください。
「カラカラ」「ガリガリ」といった異音がする場合や、ファンエラーが表示される場合は、ファン自体の故障が疑われます。放置すると熱暴走や基板損傷のリスクがあるため、早めに修理を依頼することをおすすめします。
【参考情報】

