静かなはずのデスクトップPCから、ブーンという低い唸り音が止まらない。集中したいのにファンの音が気になって仕方がない——そんな状況に悩まされていませんか?
HPのデスクトップPCは、初期設定や長期間の使用によってファンが必要以上に回転することがあります。特にWindows11では電源設定が見えにくくなっているため、どこをいじればいいのかわからず放置してしまう方も多いです。
この記事では、Windowsの電源設定からHP固有のBIOS設定、内部清掃まで、ファンを静かにするための7つの対処法を具体的な手順付きで解説します。
設定変更だけで体感できるレベルで静かになるケースも多く、費用をかけずに改善できる可能性があります。故障が疑われる場合の判断基準や修理費用の目安も紹介しているので、自分のPCがどの状態かを見極めたうえで適切な対処ができるようになります。
結論からいえば、まず試すべきは「最大のプロセッサの状態」を99%に下げること。これだけでファン音が大幅に改善するケースは少なくありません。
HPデスクトップのファンがうるさくなる原因
ファンの騒音には必ず原因があります。まずは自分のPCがどの状態に当てはまるかを確認しましょう。
高負荷な作業によるCPU温度の上昇
動画編集、ゲーム、複数のブラウザタブを開いた状態など、CPU使用率が高い作業をしているとファンは回転数を上げて冷却しようとします。
タスクマネージャー(Ctrl + Shift + Esc)でCPU使用率を確認し、常時80%以上になっていないかチェックしてください。バックグラウンドで不要なソフトが動いている場合は終了させることで改善することがあります。
内部にホコリが溜まり冷却効率が低下
デスクトップPCは床置きで使われることが多く、吸気口や排気口にホコリが溜まりやすい構造です。ホコリが溜まると冷却効率が下がり、同じ温度を保つためにファンがより強く回る必要があります。
購入から1年以上経過していて、一度も内部清掃をしていない場合は、ホコリが原因の可能性が高いです。
BIOS設定でファンが常時フル回転になっている
HPのデスクトップPCには、BIOSでファンの動作を制御する設定があります。「Fan Always On」(ファン常時稼働)がオンになっていると、PCがアイドル状態でもファンが回り続けます。
特に中古PCを購入した場合や、BIOSアップデート後にこの設定が変わっていることがあります。
Windowsの電源設定が最適化されていない
Windowsの電源プランが「高パフォーマンス」になっていたり、冷却ポリシーが「アクティブ」に設定されていると、必要以上にファンが回転することがあります。
デフォルト設定のままでも最適とは限らないため、後述する電源オプションの調整を試してみてください。
ファン自体の故障・軸ブレ
上記のどれにも当てはまらず、カラカラ、ガラガラといった異音がする場合は、ファンの軸受け(ベアリング)の劣化や故障が考えられます。
この場合は設定変更では解決できないため、ファンの交換が必要です。
【Windows設定】電源オプションでファンを静かにする方法
Windowsの電源設定を変更することで、ファンの回転を抑えることができます。費用もかからず、すぐに試せる方法です。
「最大のプロセッサの状態」を99%に下げる
CPUには「ターボブースト」という機能があり、負荷がかかると一時的にクロック数を上げます。この機能が働くと発熱が増え、ファンが回りやすくなります。
「最大のプロセッサの状態」を100%から99%に下げると、ターボブーストが無効になり、発熱とファン音を抑えられます。
📝 設定手順:
- 「コントロールパネル」を開く
- 「ハードウェアとサウンド」→「電源オプション」を選択
- 使用中のプランの「プラン設定の変更」をクリック
- 「詳細な電源設定の変更」をクリック
- 「プロセッサの電源管理」→「最大のプロセッサの状態」を開く
- 「電源に接続」を99%に変更
- 「OK」で保存
この設定により、CPU温度が5〜10℃程度下がるケースもあります。通常の作業であれば体感速度への影響はほとんどありません。
「システムの冷却ポリシー」をパッシブに変更する
冷却ポリシーには「アクティブ」と「パッシブ」の2種類があります。
| 設定 | 動作 |
|---|---|
| アクティブ | CPU温度が上がるとファンの回転数を上げて冷却 |
| パッシブ | ファンを上げる前にCPUのクロックを下げて発熱を抑える |
パッシブに変更すると、ファンの回転数を上げる前にCPU側で発熱を抑えようとするため、静音性が向上します。
📝 設定手順:
- 上記と同じ「詳細な電源設定の変更」画面を開く
- 「プロセッサの電源管理」→「システムの冷却ポリシー」を開く
- 「電源に接続」をパッシブに変更
- 「OK」で保存
Windows11で「プロセッサの電源管理」が表示されない場合の対処
Windows11では、デフォルトで「プロセッサの電源管理」の項目が非表示になっていることがあります。この場合はレジストリを編集して表示させる必要があります。
⚠️ 注意: レジストリの編集は誤った操作をするとシステムに影響を与える可能性があります。操作に不安がある場合は、次のBIOS設定の方法を試してください。
📝 レジストリ編集手順:
- 「Windows + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「regedit」と入力してEnter
- 以下のパスに移動:
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\54533251-82be-4824-96c1-47b60b740d00\be337238-0d82-4146-a960-4f3749d470c7 - 右側の「Attributes」をダブルクリック
- 値のデータを「1」から「2」に変更
- 「OK」をクリックしてPCを再起動
再起動後、電源オプションに「プロセッサの電源管理」が表示されるようになります。
【BIOS設定】HPデスクトップのファン回転数を調整する方法
HPのデスクトップPCには、BIOS(UEFI)からファンの動作を細かく設定できる機能があります。Windows側の設定で改善しない場合は、こちらも確認してみてください。
HPのBIOS画面への入り方(F10キー)
📝 BIOS起動手順:
- PCの電源を入れる(または再起動する)
- HPのロゴが表示されたらF10キーを連打
- BIOS Setup画面が表示される
F10キーを押すタイミングが難しい場合は、電源を入れた直後から連打し続けてください。
ファン回転数・休止モードの設定手順
HPのBIOSでは、ファンの最低回転数や常時稼働の設定を変更できます。
📝 設定手順(機種により項目名が異なる場合があります):
- BIOS画面で「Power」または「Advanced」メニューを選択
- 「Thermal」または「Fan」関連の項目を探す
- 以下の設定を確認・変更:
| 設定項目 | 推奨設定 | 説明 |
|---|---|---|
| Fan Idle Mode / Minimum Fan Speed | 最低レベル(Level 1など) | アイドル時のファン回転数 |
| Fan Always On | Disabled | 常時稼働を無効化 |
- 「F10」キーを押して「Save and Exit」で保存・再起動
一部の機種では、7段階のレベル設定があり、デフォルトがLevel 4(中間)になっていることがあります。静音性を重視するならLevel 1〜2に下げてみてください。
設定変更後の注意点(CPU温度の監視)
ファンの回転数を下げると、当然ながら冷却能力は低下します。設定変更後は、CPU温度が異常に上がっていないか確認することをおすすめします。
🔧 温度監視の方法:
- HWMonitorやCore TempなどのフリーソフトでCPU温度を確認
- アイドル時:40〜50℃程度が目安
- 高負荷時:80℃を超えるようなら設定を見直す
温度が高すぎる場合は、ファン設定を元に戻すか、次のセクションで解説する内部清掃を行ってください。
ホコリ除去と内部清掃でファン音を改善する
設定を変更しても改善しない場合、内部にホコリが溜まっている可能性があります。デスクトップPCは比較的清掃しやすいので、自分で対処できます。
エアダスターを使った吸排気口の清掃
まずはPCを開けずにできる清掃から試してみましょう。
📝 清掃手順:
- PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- 吸気口(前面・側面)と排気口(背面)の位置を確認
- エアダスターで吸排気口のホコリを吹き飛ばす
- 掃除機の弱モードで周囲に飛んだホコリを吸い取る
⚠️ 注意点:
- 掃除機のノズルを直接吸排気口に当てない(静電気でパーツが壊れる可能性)
- エアダスターは必ず缶を立てた状態で使用(傾けると液体が出る)
デスクトップPCの内部清掃の手順
外側からの清掃で改善しない場合は、サイドパネルを開けて内部を清掃します。
📝 内部清掃の手順:
- PCの電源を切り、電源ケーブルを抜く
- 金属部分に触れて静電気を逃がす
- サイドパネルを外す(多くの機種はネジ1〜2本で固定)
- CPUファン、ケースファン、電源ユニット周辺のホコリをエアダスターで除去
- ヒートシンク(放熱フィン)の隙間に詰まったホコリも除去
- サイドパネルを戻して電源を入れる
内部清掃だけでファン音が大幅に改善するケースは多いです。1年に1回程度の清掃を習慣にすると、PCの寿命も延びます。
ファンの故障が疑われる場合の対処法
設定変更や清掃を行っても改善しない場合、ファン自体の故障が考えられます。
ファン故障のサイン(異音・振動・回らない)
以下の症状がある場合は、ファンの交換が必要です。
🔍 故障のサイン:
- カラカラ、ガラガラ音:軸受けの劣化・破損
- ブーンという振動音:ファンの軸ブレ、バランス崩れ
- ファンが回らない:モーターの故障
- 回転が不安定(回ったり止まったりする):寿命が近い
HPのデスクトップでは、起動時に「System Fan (90B)」や「Cooling Fan Error 902」などのエラーメッセージが表示されることもあります。このメッセージが出た場合は、ファンの交換が必要です。
HPデスクトップのCPUファン交換の修理費用目安
ファン交換を業者に依頼する場合の費用目安です。
| 依頼先 | 費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| HPサポート(メーカー修理) | 要見積もり | 純正パーツ使用、保証対応 |
| パソコン修理専門店 | 10,000〜20,000円程度 | 比較的安価、即日対応の店舗も |
| 自分で交換 | 2,000〜5,000円程度(パーツ代) | 技術と知識が必要 |
メーカー保証期間内であれば、まずHPサポートに問い合わせることをおすすめします。保証期間外で費用を抑えたい場合は、パソコン修理専門店への依頼が現実的な選択肢です。
よくある質問
- HPのファンが急にうるさくなったのはなぜ?
-
Windows Updateやドライバ更新によって電源設定がリセットされた可能性があります。また、バックグラウンドでウイルススキャンやシステム更新が動いているケースもあるため、タスクマネージャーでCPU使用率を確認してください。
- 新品のHPデスクトップなのにファンがうるさいのですが?
-
初期設定でファンが常時稼働する設定になっていることがあります。BIOS設定で「Fan Always On」を無効にするか、Windowsの電源設定を見直してみてください。
- ファンの音を完全に無音にできますか?
-
完全な無音化は難しいですが、SSD搭載モデルを選ぶ、ファンレス構成の外付けGPUを使うなどで騒音を大幅に減らせます。デスクトップPCでは冷却が必要なため、ある程度のファン音は正常です。
- HPのBIOSにファン設定が見つからない場合は?
-
機種によってはファン制御の項目がない場合があります。その場合はWindowsの電源設定で対応するか、サードパーティ製のファン制御ソフト(SpeedFanなど)を試してみてください。ただし、対応していない機種もあります。
まとめ
HPデスクトップのファンがうるさい場合、まずはWindowsの電源設定(最大プロセッサ状態99%、冷却ポリシーをパッシブに)を変更してみてください。それでも改善しない場合は、BIOS設定でファンの回転数を下げる、内部のホコリを清掃するといった対処が有効です。
カラカラ音や振動音がする場合はファン自体の故障が考えられるため、修理業者への依頼を検討してください。パソコン修理専門店なら1〜2万円程度でファン交換が可能です。
【参考情報】

