HPのノートパソコンで電源ボタンを押したら、画面は真っ暗なままでCapsLockだけが白く点滅している。何度再起動しても同じ。故障?それとも何かの設定ミス?点滅の意味もわからず、このまま修理に出すしかないのか——そんな不安を感じていませんか?
実はこの点滅、HPが搭載しているハードウェア診断機能によるエラー通知です。点滅の回数によって故障箇所を特定できる仕組みになっており、正しく読み取れば自分で直せるケースかどうかを判断できます。
本記事では、HP公式のエラーコード体系に基づき、点滅回数ごとの意味・具体的な対処手順・修理が必要なケースの判断基準を解説します。
📌 これを読めば、無駄に修理費用をかけることなく、今すぐ試すべき対処法が明確になります。
結論から言うと、3回点滅(メモリ未検出)はメモリの挿し直しで直る可能性が高い一方、1回点滅(CPU)や5回点滅(マザーボード)は修理が必要です。まずは落ち着いて点滅回数を数えるところから始めましょう。
HP CapsLock点滅の仕組み|なぜランプが光るのか
HPのノートパソコンには、起動時にハードウェアの状態をチェックするPOST(Power-On Self-Test)という診断機能が搭載されています。この診断でエラーが検出されると、画面に何も表示できない状態でもCapsLockやNumLockのLEDを点滅させてエラーコードを通知します。
2008年以降に発売されたHP UEFI搭載モデルでは、この診断機能が標準装備されています。ProBook、Pavilion、ENVY、OMENなど、ほとんどのHPノートパソコンが対象です。
点滅パターンの読み取り方(長い点滅と短い点滅)
HPのエラーコードは「長い点滅の回数」と「短い点滅の回数」の組み合わせで表現されます。
📌 読み取り方のポイント:
- 長い点滅:約1秒間点灯
- 短い点滅:約0.5秒間点灯
- 点滅の間に約0.5秒の消灯がある
- 一連のパターンが繰り返し表示される
たとえば「5回3回」という表記は、長い点滅が5回 → 短い点滅が3回という意味です。点滅が止まったら、もう一度電源ボタンを押すと同じパターンが繰り返されるので、落ち着いてカウントしてください。
点滅回数別エラーコード一覧表
| 点滅回数 | エラー内容 | 自己解決の可能性 |
|---|---|---|
| 1回 | CPUエラー | ✕ 修理必要 |
| 2回 | BIOSエラー(ROM破損) | △ 復旧操作で改善の場合あり |
| 3回 | メモリ未検出エラー | ◯ メモリ挿し直しで改善の場合あり |
| 4回 | グラフィック・ディスプレイエラー | △ 放電で改善の場合あり |
| 5回 | システムボード(マザーボード)エラー | ✕ 修理必要 |
| 6回 | BIOS認証エラー | △ 自動復旧または復旧操作 |
| 7回 | 組み込みコントローラエラー | ✕ 修理必要 |
| 8回 | メモリ互換性・設定エラー | ◯ メモリ交換で改善の場合あり |
CapsLock点滅 白1回〜3回の原因と対処法
1回点滅:CPUエラーの対処法
CapsLockが1回だけ点滅する場合は、CPU(プロセッサ)の障害を示しています。
CPUはマザーボードに直接実装されているため、ユーザーが自分で修理することは困難です。放電処置を試しても改善しない場合は、マザーボードの交換修理が必要になります。
📌 試せる対処法:
- 放電処置(後述)を実施
- 外部デバイスをすべて取り外して再起動
改善しない場合は、メーカー修理または専門の修理業者への依頼を検討してください。
2回点滅:BIOSエラー(ROM破損)の対処法
CapsLockが2回点滅する場合は、BIOSの破損を示しています。BIOSアップデートの失敗や、停電などによる書き込み中断が原因となることがあります。
📌 BIOS復旧の手順:
- パソコンの電源を切る
- 電源アダプタを接続する
- Windowsキー + Bキーを押しながら、電源ボタンを2〜3秒押す
- 電源ボタンを離し、WindowsキーとBキーは押し続ける
- ビープ音が鳴るか、HP BIOS Update画面が表示されるまで待つ
この操作でBIOS復旧モードが起動します。復旧が完了すると自動的に再起動されます。
3回点滅:メモリ未検出エラーの対処法
CapsLockが3回点滅する場合は、メモリ(RAM)が認識されていないことを示しています。メモリの接触不良や、メモリモジュール自体の故障が原因です。
この症状は自分で解決できる可能性が最も高いエラーの一つです。
📌 メモリ挿し直しの手順:
- パソコンの電源を切り、電源アダプタを外す
- バッテリーを取り外す(取り外し可能な場合)
- 裏面のカバーを開けてメモリスロットにアクセス
- メモリの両端にある固定クリップを外側に押す
- メモリを斜めに持ち上げて取り外す
- メモリの端子部分を乾いた布や消しゴムで軽く清掃
- 斜めに差し込み、カチッと音がするまで押し下げる
- カバーを閉じて再起動
メモリが2枚ある場合は、1枚ずつ取り付けて起動テストを行うと、どちらのメモリに問題があるか特定できます。
CapsLock点滅 白4回〜6回の原因と対処法
4回点滅:グラフィック・ディスプレイエラーの対処法
CapsLockが4回点滅する場合は、グラフィックコントローラ(GPU)またはディスプレイの障害を示しています。
ノートパソコンのGPUはマザーボードに統合されていることが多く、GPU自体の故障であれば修理が必要です。ただし、一時的な不具合であれば放電処置で改善する場合もあります。
📌 試せる対処法:
- 放電処置を実施
- 外部モニターを接続して、画面が映るか確認
- 外部モニターに映る場合は、内蔵ディスプレイまたはケーブルの問題
5回点滅:システムボードエラーの対処法
CapsLockが5回点滅する場合は、マザーボード(システムボード)の一般的な障害を示しています。
これは最も深刻なエラーコードの一つで、マザーボード上のいずれかのコンポーネントに問題が発生しています。BIOSファームウェアの破損が原因のケースもあり、この場合はBIOS復旧で改善することがあります。
📌 試せる対処法:
- 放電処置を実施
- BIOS復旧操作を試す(2回点滅の対処法と同じ手順)
- 外部デバイスをすべて取り外して再起動
改善しない場合は、マザーボードの修理または交換が必要です。
6回点滅:BIOS認証エラーの対処法
CapsLockが6回点滅する場合は、BIOSの認証エラーを示しています。これは非常に稀なエラーで、BIOSがハードウェアの署名を認証できない状態です。
通常、このエラーが発生するとパソコンが自動的にBIOS復旧を試みます。自動復旧が行われない場合は、手動でBIOS復旧を実行してください。
📌 手動BIOS復旧の手順:
- パソコンの電源を切る
- 4つの矢印キー(↑↓←→)を同時に押す
- そのまま電源ボタンを押す
- EFIパーティションからBIOSが復旧される
CapsLock点滅 白7回〜8回の原因と対処法
7回点滅:組み込みコントローラエラーの対処法
CapsLockが7回点滅する場合は、組み込みコントローラ(EC)の障害を示しています。組み込みコントローラは、電源管理やキーボード制御などを担当するマザーボード上のチップです。
このエラーは放電処置で改善する場合があるため、まずは以下の手順を試してください。
📌 放電処置の手順:
- パソコンの電源を切る
- 電源アダプタを外す
- バッテリーを取り外す(内蔵バッテリーの場合は裏蓋を開けてコネクタを外す)
- 電源ボタンを30秒間長押しする
- バッテリーと電源アダプタを再接続
- 電源を入れる
8回点滅:メモリ互換性エラーの対処法
CapsLockが8回点滅する場合は、メモリの互換性または設定の問題を示しています。3回点滅(メモリ未検出)とは異なり、メモリは認識されているものの、正常に動作できない状態です。
📌 考えられる原因:
- メモリ増設後に発生:新しいメモリの規格が非対応
- 突然発生:メモリモジュールの劣化・故障
- BIOS設定の問題
メモリを最近交換・増設した場合は、元のメモリに戻して起動するか確認してください。互換性のあるメモリへの交換が必要な場合があります。
CapsLockがずっと点滅し続ける場合の対処法
明確な回数パターンではなく、CapsLockがずっと点滅し続ける場合は、システムがエラーコードを出す前の段階でフリーズしている可能性があります。
放電処置の手順
電源周りのトラブルや一時的な不具合は、**放電処置(ハードリセット)**で解決することがあります。
📌 バッテリー取り外し可能なモデル:
- 電源を切る
- 電源アダプタを外す
- バッテリーを取り外す
- 電源ボタンを15〜30秒間長押し
- バッテリーを取り付けずに電源アダプタだけ接続
- 電源を入れて起動するか確認
- 起動したらシャットダウンし、バッテリーを取り付ける
📌 バッテリー内蔵モデル:
- 電源を切る
- 電源アダプタを外す
- 電源ボタンを15秒間長押し
- 電源アダプタを接続
- 電源を入れる
CMOSクリアの手順
放電処置で改善しない場合は、**BIOS設定の初期化(CMOSクリア)**を試します。ただし、この操作には分解が必要なモデルもあります。
📌 CMOSクリアの方法:
- パソコンの電源を切り、電源アダプタとバッテリーを外す
- 裏蓋を開ける
- CMOSバッテリー(ボタン電池)を探す
- CMOSバッテリーを取り外して1〜2分待つ
- CMOSバッテリーを取り付け直す
- 組み立てて電源を入れる
※機種によってはCMOSバッテリーがない場合もあります。
「長い点滅+短い点滅」の組み合わせパターン
HPのエラーコードには、「5.3」「3.2」のように長い点滅と短い点滅の組み合わせで詳細なエラーを示すものがあります。
5回3回・5回4回の意味と対処法
| パターン | エラー内容 |
|---|---|
| 5.3(5回+3回) | 組み込みコントローラがBIOSに到達できないタイムアウト |
| 5.4(5回+4回) | BIOSの初期化待機タイムアウト |
これらのエラーはマザーボード上の通信エラーを示しています。
📌 対処法:
- すべての外部デバイス(USB機器、外付けモニター、SDカードなど)を取り外す
- 放電処置を実施
- BIOS復旧操作を試す
改善しない場合はマザーボードの障害の可能性が高く、修理が必要です。
3回2回・3回4回の意味と対処法
| パターン | エラー内容 |
|---|---|
| 3.2(3回+2回) | メモリ初期化のタイムアウト |
| 3.3(3回+3回) | メモリモジュールの問題 |
| 3.4(3回+4回) | メモリ設定エラー |
これらはすべてメモリ関連のエラーです。
📌 対処法:
- メモリの挿し直しを試す
- メモリスロットの清掃
- メモリを1枚ずつ取り付けて、どちらに問題があるか特定
- 別のメモリで動作確認
メモリの挿し直しで改善しない場合、メモリスロット(マザーボード側)の故障も考えられます。
自分で直せるケースと修理が必要なケースの判断基準
メモリの挿し直しで改善する可能性があるエラー
以下のエラーコードは、メモリの接触不良が原因であれば自分で解決できます。
📌 自己解決の可能性があるエラー:
- 3回点滅(メモリ未検出)
- 8回点滅(メモリ互換性)
- 3.2、3.3、3.4(メモリ関連の組み合わせコード)
これらのエラーが出た場合は、まずメモリの挿し直しを試してください。消しゴムで端子を軽く擦ると接触が改善することがあります。
修理・買い替えを検討すべきエラー
以下のエラーコードは、マザーボードやCPUなど交換が必要な部品の障害を示しています。
📌 修理が必要なエラー:
- 1回点滅(CPUエラー)
- 5回点滅(システムボードエラー)
- 7回点滅(組み込みコントローラエラー)
これらのエラーは、放電処置やBIOS復旧で改善しない場合、マザーボードの修理または交換が必要です。
📌 修理 vs 買い替えの判断ポイント:
- 購入から3年以内:メーカー修理を検討
- 購入から5年以上:買い替えを検討(修理費用と比較)
- データのバックアップがない場合:データ復旧サービスも検討
よくある質問
- 電源ランプも一緒に点滅している場合は?
-
電源ランプの点滅は電源供給の状態を示しています。バッテリー残量不足やACアダプタの接続不良の可能性があります。まずはACアダプタを直接コンセントに接続し、別のコンセントでも試してください。
- ProBookとPavilionで点滅の意味は違う?
-
基本的なエラーコードの意味は同じです。ただし、一部のビジネスモデル(EliteBook、ProBookなど)では、より詳細なエラーコードが表示される場合があります。
- 点滅が止まって画面が真っ暗なままの場合は?
-
点滅が止まった後も起動しない場合は、電源ボタンを再度押してエラーコードを確認してください。エラーコードが表示されない場合は、電源周りの問題(ACアダプタ、バッテリー、電源ボタン)の可能性があります。
まとめ
HP CapsLockの白い点滅は、ハードウェア診断機能によるエラー通知です。3回点滅(メモリ未検出)や8回点滅(メモリ互換性)はメモリの挿し直しで改善する可能性があり、まず試す価値があります。一方、1回点滅(CPU)や5回点滅(マザーボード)は修理が必要なケースがほとんどです。
対処の順序としては、①放電処置 → ②メモリ挿し直し → ③BIOS復旧 の順に試し、それでも改善しない場合は専門の修理業者への相談をおすすめします。
【参考情報】

