SSD換装の準備を万全に整え、回復ドライブも作成済み。いざ新しいSSDに復元しようとしたら「PCの回復中に問題が発生しました」——何度やり直しても同じエラーが出て、途方に暮れていませんか?
実は、この失敗には明確な理由があります。回復ドライブは「空のSSDにWindowsをインストールする」ためのツールではないのです。本来の用途は既存OSの修復であり、多くの方がこの仕組みを誤解したままSSD換装に挑んで失敗しています。
この記事では、回復ドライブでSSD換装が失敗する根本原因から、エラーメッセージ別の対処法、そして確実にSSD換装を成功させる代替手段まで網羅的に解説します。
読み終える頃には、なぜ自分の作業が失敗したのかが明確になり、クローン作成やクリーンインストールといった正しい方法で換装をやり直せるようになります。
結論を先にお伝えすると、SSD換装の最善策は回復ドライブではなくクローンソフトです。その理由と具体的な手順を、この先で詳しく説明していきます。
SSD換装で回復ドライブからの復元が失敗する原因
SSD換装後に回復ドライブを使って復元しようとすると、高い確率で失敗します。その根本的な原因は、回復ドライブの仕組みとユーザーの期待にギャップがあるためです。
回復ドライブ・リカバリーディスク・クローンの違い
SSD換装時に混同されやすい3つの用語を整理しておきましょう。
| 種類 | 目的 | 新しいSSDへの対応 |
|---|---|---|
| 回復ドライブ | 既存OSの修復・初期化 | △ 条件付き |
| リカバリーディスク | 購入時の状態に復元 | ○ 対応(同一構成のみ) |
| クローン | ドライブの完全コピー | ◎ 最適 |
回復ドライブは、Windowsに搭載されている標準機能で作成するUSBメモリです。主な役割は「起動しなくなったWindowsの修復」であり、空のドライブにOSをインストールするためのフォーマット機能を持っていません。
リカバリーディスクは、メーカーが提供する出荷時状態に戻すための専用メディアです。購入時のハードウェア構成を前提としているため、SSDを換装すると使用できない場合があります。
クローンは、元のドライブの内容をそのまま新しいSSDにコピーする方法です。OSやアプリ、設定がすべて引き継がれるため、SSD換装では最も確実な方法です。
エラーメッセージ別の原因一覧
回復ドライブでSSD換装を試みた際に表示される代表的なエラーと、その原因を確認しましょう。
| エラーメッセージ | 主な原因 |
|---|---|
| PCの回復中に問題が発生しました | 回復パーティションの破損、容量不足、回復ドライブの作成失敗 |
| システムドライブが小さすぎます | 元のドライブより小さい容量のSSDに換装した |
| ドライブから回復する が表示されない | 回復ドライブ作成時に「システムファイルをバックアップ」を選択していない |
| PCを初期状態に戻すときに問題が発生しました | Windows RE(回復環境)が無効になっている |
| このディスクにWindowsをインストールできません | GPT/MBR形式の不一致、BIOS設定の問題 |
最も多いのは**「PCの回復中に問題が発生しました」**というエラーです。これは回復ドライブ自体の作成が不完全だったケースや、新しいSSDに対応できていないケースで発生します。
メーカー別の注意点(DELL・Lenovo・Surface)
PCメーカーによって回復機能の仕様が異なるため、特有の問題が発生することがあります。
🔹 DELLの場合
DELLのPCでは、Windows10からWindows11にアップグレードした場合、Windows11の回復領域が作成されていないことがあります。そのため、回復ドライブを使ってもWin10の環境しか復元できない、または回復自体が失敗するケースが報告されています。
DELLでは公式の「Dell OS Recovery Tool」を使った回復イメージの作成が推奨されています。
🔹 Lenovoの場合
Lenovoのノートパソコンでは、「Novoボタン」から回復環境を起動する独自の仕様があります。SSD換装後は、BIOSからのブート順序変更が必要になるケースが多いです。
また、ThinkPadシリーズでは回復パーティションが独自形式で保存されていることがあり、一般的な回復ドライブでは復元できない場合があります。
🔹 Surfaceの場合
Surfaceシリーズは内蔵SSDの換装自体が難しい構造ですが、換装に成功しても回復ドライブからの復元でエラーが発生しやすいと報告されています。
SurfaceではMicrosoft公式のSurface回復イメージをダウンロードして使用するのが確実です。
「PCの回復中に問題が発生しました」エラーの対処法
SSD換装後に最も多く遭遇するのが「PCの回復中に問題が発生しました」というエラーです。このエラーには複数の原因があり、それぞれに対処法が異なります。
Windows RE(回復環境)の確認と有効化
Windows RE(回復環境)が無効になっていると、回復ドライブからの復元が正常に動作しません。以下の手順で確認と有効化を行います。
📋 確認手順:
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開く
reagentc /infoと入力してEnter- 「Windows RE の状態」を確認
「Enabled」と表示されていれば有効、「Disabled」なら無効です。
📋 有効化手順:
無効になっている場合は、以下のコマンドで有効化します。
reagentc /enable
エラーが出る場合は、回復パーティション自体が破損している可能性があります。その場合は後述の代替手段を検討してください。
容量制限エラーの回避方法
「システムドライブが小さすぎます」というエラーが出る場合、回復ドライブ内の設定ファイルを編集することで回避できる可能性があります。
⚠️ 注意: この方法は上級者向けです。操作を誤るとデータを失う可能性があります。
📋 手順:
- 回復ドライブ(USBメモリ)をPCに接続
- USBメモリ内の
sources→OEMフォルダを開く $PBR_ResetConfig.xmlをメモ帳で開く<MinSize>の数値を、新しいSSDの容量より小さい値に変更- 保存して再度回復を試行
ただし、この方法で回避できても60%前後で停止するケースが報告されています。その場合は回復ドライブ自体の作成が失敗している可能性が高いため、別の方法を検討してください。
回復ドライブが起動しない・認識しない場合の対処法
回復ドライブから復元を試みる以前に、そもそも回復ドライブが起動しない・認識されないという問題に遭遇することがあります。
BIOS/UEFIでのブート順序変更手順
PCは通常、内蔵SSD/HDDから起動するよう設定されています。回復ドライブ(USBメモリ)から起動するには、ブート順序を変更する必要があります。
📋 一般的な手順:
- PCの電源を切る
- 回復ドライブ(USBメモリ)を接続
- 電源を入れ、すぐにBIOSキーを連打
🔹 メーカー別BIOSキー:
| メーカー | BIOSキー |
|---|---|
| DELL | F2 または F12 |
| Lenovo | F2 または F12(Novoボタンも可) |
| HP | F10 または Esc → F10 |
| ASUS | F2 または Del |
| NEC/富士通 | F2 |
| Surface | 音量+ボタンを押しながら電源 |
- BIOS画面で「Boot」または「起動」メニューを選択
- USBメモリを最優先に設定
- 保存して再起動
それでも起動しない場合は、セキュアブートの無効化を試してください。BIOSの「Security」メニューから設定できます。
回復ドライブは別のPCや新しいSSDに使えるか
よくある誤解として「回復ドライブはどのPCでも使える」というものがあります。
結論:回復ドライブは基本的に作成したPC専用です。
回復ドライブに含まれる情報:
- ハードウェア固有のドライバー
- ライセンス認証情報
- 回復パーティションのバックアップ
これらは作成したPCに紐づいているため、別のPCに使用しても正常に動作しません。
ただし、同一PCでSSDを換装した場合は、条件付きで使用できる可能性があります。その条件とは:
- 回復ドライブ作成時に「システムファイルをバックアップ」にチェックを入れていた
- 新しいSSDの容量が元のドライブと同等以上
- 回復ドライブが正常に作成されていた
これらを満たしていない場合は、後述の代替手段を使用してください。
回復ドライブ作成時に失敗する原因と解決策
SSD換装後の失敗だけでなく、そもそも回復ドライブの作成自体が失敗しているケースも少なくありません。
適切なUSBメモリの選び方
回復ドライブの作成に使用するUSBメモリには、いくつかの条件があります。
✅ 推奨条件:
- 容量:16GB〜32GB(64GB以上は非推奨)
- USB 3.0対応(作成時間短縮のため)
- 新品または正常動作が確認済み
- セキュリティ機能なしのシンプルなもの
⚠️ 64GB以上のUSBメモリの問題:
64GB以上のUSBメモリを使用すると、回復ドライブの作成は成功しても**「ドライブから回復する」メニューが表示されない**という問題が報告されています。
この場合、64GBのUSBメモリ内のデータを32GB以下のUSBメモリにコピーすると、正常に動作することがあります。
📋 作成前のフォーマット:
USBメモリに問題がないか確認するため、作成前に手動でフォーマットすることをおすすめします。
- USBメモリをPCに接続
- エクスプローラーで右クリック → 「フォーマット」
- ファイルシステム:FAT32を選択
- 「開始」をクリック
Windows10からWindows11にアップグレードしたPCの注意点
Windows10がプリインストールされたPCをWindows11にアップグレードした場合、回復ドライブに関する重要な問題があります。
🔸 問題点:
アップグレード後に回復ドライブを作成しても、復元されるのはWindows11の環境です。しかし、PCのハードウェア構成(ドライバーなど)は元のWindows10用のままになっていることがあり、これが原因で復元に失敗します。
特にDELLやHPなど、独自のリカバリー領域を持つメーカー製PCでこの問題が発生しやすいです。
📋 対処法:
- Windowsインストールメディアでクリーンインストールを行う(後述)
- メーカー公式の回復ツールを使用する
- Windows11にアップグレードする前に回復ドライブを作成しておく
回復ドライブが使えない場合の代替手段
回復ドライブでの復元が失敗する場合、別の方法でSSD換装を完了させましょう。以下の方法が確実です。
Windowsインストールメディアでクリーンインストール
最も確実な方法は、Microsoftの公式ツールでインストールメディアを作成し、クリーンインストールを行うことです。
📋 必要なもの:
- 8GB以上のUSBメモリ
- インターネット接続
- 正常に動作するPC(別のPCでも可)
📋 インストールメディアの作成手順:
- Microsoft公式のWindows11ダウンロードページにアクセス
- 「Windows 11 のインストール メディアを作成する」の「今すぐダウンロード」をクリック
- ダウンロードした「MediaCreationTool.exe」を実行
- ライセンス条項に同意
- 「USBフラッシュドライブ」を選択して「次へ」
- USBメモリを選択して作成開始
作成には30分〜1時間程度かかります。
📋 クリーンインストール手順:
- 作成したUSBメモリを換装済みのPCに接続
- BIOSでUSBから起動するよう設定
- 「Windowsセットアップ」画面で「今すぐインストール」をクリック
- プロダクトキーの入力(「プロダクトキーがありません」でスキップ可能)
- インストール先のドライブ(新しいSSD)を選択
- 画面の指示に従ってインストールを完了
💡 ライセンスについて:
元々Windows10/11がインストールされていたPCの場合、デジタルライセンスがMicrosoftサーバーに記録されています。クリーンインストール後にMicrosoftアカウントでサインインすれば、自動的にライセンス認証されます。
クローンソフトでのSSD換装手順
データや環境をそのまま引き継ぎたい場合は、クローンソフトを使用するのが最適です。
📋 クローン作成の基本手順:
- 新しいSSDをUSB接続(外付けケースまたは変換アダプタを使用)
- クローンソフトをインストール
- コピー元(現在のドライブ)とコピー先(新しいSSD)を選択
- クローンを実行
- 完了後、PCを分解してSSDを交換
- 正常に起動することを確認
🔹 主なクローンソフト:
| ソフト名 | 特徴 |
|---|---|
| Macrium Reflect Free | 無料で高機能、日本語対応 |
| EaseUS Todo Backup | 操作が簡単、無料版あり |
| AOMEI Backupper | GPT/MBR変換に対応 |
| Crucial/Samsung付属ソフト | SSD購入時に無料で利用可能 |
クローンソフトを使えば、OSやアプリ、設定、データがすべてそのまま新しいSSDに移行されるため、換装後すぐに元の環境で作業を再開できます。
クローン作成が失敗した場合のやり直し方
クローン作成が途中で失敗した場合、以下の原因と対処法を確認してください。
🔹 よくある失敗原因と対策:
| 失敗原因 | 対策 |
|---|---|
| 元のドライブに不良セクタがある | chkdskコマンドで修復してから再試行 |
| 容量不足(コピー先が小さい) | 元のドライブのデータを整理して使用容量を減らす |
| USB接続が不安定 | 別のUSBポートを使用、直接SATA接続で試行 |
| クローンソフトの相性問題 | 別のクローンソフトを試す |
📋 不良セクタの確認と修復:
chkdsk C: /f /r
このコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトで実行すると、ドライブのエラーチェックと修復が行われます。
クローンが何度も失敗する場合は、元のドライブ自体に深刻な問題がある可能性があります。その場合はクリーンインストールを選択し、必要なデータは手動でバックアップしてください。
SSD換装の正しい手順と事前準備
そもそも失敗を防ぐために、SSD換装前の正しい準備と手順を確認しておきましょう。
新品SSDのフォーマット形式(GPT/MBR)の確認
新しいSSDを使用する前に、パーティション形式を確認・設定する必要があります。
🔹 GPTとMBRの違い:
| 項目 | GPT | MBR |
|---|---|---|
| 対応容量 | 2TB以上対応 | 2TBまで |
| ブートモード | UEFI | BIOS(Legacy) |
| 対応OS | Windows10/11推奨 | 古いOS |
現在のPCがUEFIモードで動作しているなら、新しいSSDもGPT形式でフォーマットしてください。
📋 確認方法:
- 「ディスクの管理」を開く(Windows + X → ディスクの管理)
- 現在のシステムドライブを右クリック → 「プロパティ」
- 「ボリューム」タブで「パーティションのスタイル」を確認
📋 新しいSSDのフォーマット手順:
- 新しいSSDをUSB接続
- 「ディスクの管理」を開く
- 「不明」と表示されているSSDを右クリック
- 「ディスクの初期化」を選択
- 元のドライブと同じパーティションスタイル(GPTまたはMBR)を選択
- 「OK」をクリック
換装前にやるべきバックアップと確認事項
SSD換装を始める前に、以下のチェックリストを確認してください。
✅ 事前チェックリスト:
- [ ] 重要なデータを外付けHDDやクラウドにバックアップした
- [ ] Windowsのプロダクトキー(またはデジタルライセンスの状態)を確認した
- [ ] 現在のドライブのパーティション形式(GPT/MBR)を確認した
- [ ] 新しいSSDの容量が元のドライブと同等以上か確認した
- [ ] PCの分解方法(底面カバーの外し方など)を調べた
- [ ] 必要な工具(精密ドライバーなど)を用意した
- [ ] クローンソフトまたはインストールメディアを準備した
💡 ライセンスの確認方法:
設定 → システム → ライセンス認証
「Windowsは、Microsoftアカウントにリンクされたデジタルライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていれば、クリーンインストール後も再認証できます。
どうしても解決しない場合の選択肢
ここまでの対処法を試しても問題が解決しない場合、自己解決の限界と考えて専門家への相談を検討しましょう。
自己解決の限界と修理依頼の判断基準
以下のような状況であれば、修理業者への依頼を検討するタイミングです。
🔸 修理依頼を検討すべき状況:
- 複数のクローンソフトを試しても必ず失敗する
- 元のドライブからデータを救出したいが認識しない
- SSDを換装してもBIOSで認識されない
- クリーンインストールも途中でエラーになる
- 仕事用PCで早急に復旧が必要
🔸 業者に依頼するメリット:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 専門機器での診断 | 不良セクタや物理障害の正確な特定 |
| データ復旧 | 故障したドライブからのデータ救出 |
| 確実な作業 | 業務用クローン機器による高精度な複製 |
| 保証 | 作業後の動作保証 |
特に元のドライブに重要なデータが残っている場合は、自己流の操作で状態を悪化させる前に、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
よくある質問
- 回復ドライブが失敗する原因は何ですか?
-
主な原因は、回復ドライブ作成時の失敗、USBメモリの不良、Windows REの無効化、新しいSSDの容量不足です。また、回復ドライブは本来「既存OSの修復用」であり、空のSSDへのインストールには適していません。
- 回復ドライブは新しいSSDにも使えますか?
-
条件付きで使用できますが、失敗するケースが多いです。回復ドライブ作成時に「システムファイルをバックアップ」を選択していること、新しいSSDの容量が元と同等以上であることが条件です。確実なのはクローン作成かクリーンインストールです。
- SSDに交換したらOSはどうなりますか?
-
SSDを交換しただけではOSは空の状態です。クローンを作成してから換装すれば元の環境がそのまま使えます。クローンを作成していない場合は、Windowsインストールメディアでクリーンインストールが必要です。
- 回復ドライブとリカバリーディスクは同じものですか?
-
異なります。回復ドライブはWindows標準機能で作成するUSBメモリで、主にOSの修復用です。リカバリーディスクはメーカーが提供する出荷時状態に戻すための専用メディアで、メーカー独自のソフトやドライバーも含まれています。
- SSDのフォーマットはMBRとGPTのどちらがいいですか?
-
Windows10/11を使用するならGPT形式が推奨です。GPTは2TB以上の大容量に対応し、UEFIブートをサポートします。元のドライブと同じパーティション形式を選択してください。
- 回復ドライブの作成に32GBのUSBメモリは使えますか?
-
はい、32GBは推奨容量です。Microsoft公式では16GB以上を推奨していますが、システムファイルをバックアップする場合は32GBあると安心です。逆に64GB以上は動作に問題が出る報告があるため、16GB〜32GBを選びましょう。
まとめ
SSD換装時に回復ドライブからの復元が失敗するのは、回復ドライブの本来の用途が「OSの修復」であり、空のSSDへのインストールには適していないためです。
SSD換装を成功させる最善の方法は、クローンソフトを使ってドライブを丸ごとコピーすることです。クローンが難しい場合は、Microsoftの公式ツールでインストールメディアを作成し、クリーンインストールを行いましょう。
回復ドライブは、あくまで「Windowsが起動しなくなった時の修復用」として正しく理解し、SSD換装の際は目的に合った方法を選択してください。
【参考情報】

