レジストリを編集した、Rufusも試した。ネットで見つけた手順通りにやったはずなのに、また同じエラー画面。「このPCではWindows11を実行できません」——何度見ても変わらない表示に、正直もう諦めかけていませんか?
Windows11のTPM2.0回避は、情報が古かったり、24H2で仕様が変わったりと、以前うまくいった方法が今は通用しないケースが増えています。特に2024年以降、Microsoftがシステム要件のチェックを強化したことで、従来の回避方法では突破できなくなったPCが続出しています。
この記事では、TPM2.0回避ができない5つの原因パターンと、エラーメッセージ別の対処法、メーカー別のBIOS設定手順、そして24H2に対応した最新の回避方法まで網羅的に解説します。
読み終える頃には、自分のPCで何がボトルネックになっているのかが明確になり、状況に応じた正しい対処法を選べるようになります。
結論から言えば、回避できない原因の多くはBIOSでTPMが無効になっているだけというケースです。まずは原因の切り分けから始めましょう。
Windows11でTPM2.0の回避ができない主な原因
TPM2.0の回避がうまくいかない場合、いくつかの典型的な原因が考えられます。まずは自分の状況がどれに該当するかを確認しましょう。
PCにTPMが搭載されていない
2016年7月以前に製造されたPCは、TPMチップ自体が搭載されていない可能性があります。この場合、BIOSで設定を変更しても有効化できません。特に第3世代以前のIntel CPUを搭載したPCでは、TPMが存在しないケースが多く見られます。
TPMが搭載されていないPCでは、レジストリ編集やRufusなどのツールを使った回避方法を選択する必要があります。
BIOSでTPMが無効になっている
比較的新しいPCでも、BIOSの初期設定でTPMが無効になっていることがあります。この場合、PC正常性チェックでは「TPM2.0が見つかりません」と表示されますが、BIOS設定を変更するだけで解決します。
特に自作PCや一部のメーカー製PCでは、セキュリティ機能がデフォルトでオフになっているケースがあるため、必ずBIOS設定を確認してください。
レジストリ編集の手順が正しくない
レジストリ編集で回避を試みる場合、LabConfigキーの作成漏れや値の設定ミスが原因で失敗することがあります。
よくあるミス:
- 📌 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup」ではなく別の場所に作成している
- 📌 LabConfigキーを作成せずに直接値を追加しようとしている
- 📌 DWORD値の名前や数値を間違えている
使用しているツールのバージョンが古い
RufusなどのツールでTPM回避済みのインストールメディアを作成する場合、古いバージョンでは正しく動作しないことがあります。Windows11の要件チェックはアップデートのたびに変更されるため、ツールも最新版を使用する必要があります。
24H2で従来の回避方法が塞がれた
Windows11 24H2以降では、従来のレジストリ編集やRufusでインストールしたPCが、Windows Updateで24H2にアップデートできないという報告が増えています。これは、Microsoftがシステム要件のチェックを強化したことが原因です。
24H2へのアップデートが必要な場合は、Flyby11などの新しいツールを使用する方法があります。
表示されるエラーメッセージ別の対処法
エラーメッセージの内容によって、対処すべきポイントが異なります。表示されているメッセージを確認し、該当する対処法を試してください。
「このPCではWindows11を実行できません」と表示される場合
このメッセージは、TPM以外の要件(CPU、セキュアブート、メモリなど)を満たしていない場合にも表示されます。
確認すべき項目:
- 📌 CPUが対応リストに含まれているか(Intel 第8世代以降、AMD Ryzen 2000以降)
- 📌 セキュアブートが有効になっているか
- 📌 メモリが4GB以上あるか
- 📌 ストレージが64GB以上あるか
複数の要件を満たしていない場合は、Rufusですべての要件チェックを回避したインストールメディアを作成する必要があります。
「PCはTPM2.0をサポートしている必要があります」と表示される場合
TPM2.0が検出されていない状態です。まずは次のセクションで説明するtpm.mscを実行し、TPMの有無とバージョンを確認してください。
TPM1.2が搭載されている場合は、Microsoftが提供する公式の回避方法(レジストリ編集)が使用できます。TPMが搭載されていない場合は、Rufusなどのツールを使用します。
「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示される場合
BIOSでTPMが無効になっているか、ファームウェアTPM(fTPM/PTT)の設定が必要な可能性があります。
Intel製CPUの場合は「Intel PTT」、AMD製CPUの場合は「AMD fTPM」をBIOSで有効化することで、専用のTPMチップがなくてもTPM2.0として認識されます。
インストール途中で止まる・進まない場合
インストールが途中で停止する場合、以下の原因が考えられます。
考えられる原因:
- 📌 インストールメディアの作成に失敗している
- 📌 USBメモリに問題がある
- 📌 BIOSの起動順序が正しく設定されていない
- 📌 セキュアブートとCSMの設定が競合している
別のUSBメモリで再度インストールメディアを作成し直すか、BIOSでCSM(互換性サポートモジュール)を無効にしてUEFIモードのみで起動するよう設定してください。
TPM2.0の状態を確認する方法
回避方法を試す前に、現在のTPMの状態を正確に把握しておくことが重要です。
tpm.mscでTPMの有無とバージョンを確認する
Windowsに標準搭載されているTPM管理ツールを使用して確認します。
⚙️ 確認手順:
- 「Windows + R」キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「tpm.msc」と入力してEnterキーを押す
- 「TPM管理」画面が開く
表示される結果と意味:
| 表示内容 | 状態 | 対処法 |
|---|---|---|
| 仕様バージョン:2.0 / 状態:TPMは使用する準備ができています | TPM2.0が有効 | 回避不要(別の原因を確認) |
| 仕様バージョン:1.2 | TPM1.2のみ | レジストリ編集で回避可能 |
| 互換性のあるTPMが見つかりません | TPM無効または未搭載 | BIOS確認→Rufusで回避 |
PC正常性チェックアプリで要件を確認する
Microsoftが提供するPC正常性チェックアプリを使用すると、TPM以外の要件も含めて一括で確認できます。
⚙️ 確認手順:
- Microsoft公式サイトからPC正常性チェックアプリをダウンロード
- インストール後、「今すぐチェック」をクリック
- 結果画面で「すべての結果を表示」をクリックして詳細を確認
要件を満たしていない項目が表示されるため、どの部分で引っかかっているかを特定できます。
BIOSでTPM設定を確認する手順
tpm.mscで「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示された場合、BIOSで設定を確認します。
⚙️ BIOS画面への入り方:
- PCを再起動する
- 起動直後にF2、F10、F12、DELのいずれかを連打(メーカーにより異なる)
- BIOS/UEFI設定画面が表示される
BIOS画面に入れない場合は、Windows 10/11の「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「今すぐ再起動」から「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「UEFIファームウェアの設定」を選択する方法もあります。
【メーカー別】BIOSでTPMを有効化する手順
BIOSの画面構成はメーカーによって異なります。以下に主要メーカー別の設定手順を示します。
Dell製PCの場合
⚙️ 設定手順:
- 起動時に「F2」キーを押してBIOS画面を開く
- 「Security」または「セキュリティ」タブを選択
- 「TPM 2.0 Security」または「PTT Security」を探す
- 「TPM On」または「Enabled」に変更
- 「Apply」→「Exit」で保存して再起動
Dell製PCでは「PTT」という名称で表示されていることがあります。
HP製PCの場合
⚙️ 設定手順:
- 起動時に「F10」キーを押してBIOS画面を開く
- 「Security」タブを選択
- 「TPM Embedded Security」または「TPM Device」を探す
- 「Available」または「Enabled」に変更
- 「Save Changes and Exit」で保存して再起動
Lenovo製PCの場合
⚙️ 設定手順:
- 起動時に「F1」または「F2」キーを押してBIOS画面を開く
- 「Security」タブを選択
- 「Security Chip」または「TCG Feature Setup」を探す
- 「Security Chip」を「Enabled」に変更
- 「Save and Exit」で保存して再起動
ThinkPadシリーズでは「Security Chip Selection」で「Discrete TPM」または「Intel PTT」を選択できる場合があります。
ASUS製マザーボードの場合
⚙️ 設定手順:
- 起動時に「DEL」または「F2」キーを押してBIOS画面を開く
- 「Advanced Mode(F7)」に切り替え
- 「Advanced」→「PCH-FW Configuration」または「AMD fTPM configuration」を選択
- 「TPM Device Selection」を「Firmware TPM」に変更
- 「Save & Exit」で保存して再起動
自作PC(Intel PTT / AMD fTPM)の場合
自作PCでは、マザーボードに専用TPMチップが搭載されていなくても、CPU内蔵のファームウェアTPMを使用できます。
Intel製CPUの設定:
- 📌 BIOS内の「Intel Platform Trust Technology(PTT)」を「Enabled」に変更
AMD製CPUの設定:
- 📌 BIOS内の「AMD fTPM switch」または「AMD CPU fTPM」を「Enabled」に変更
設定項目の場所は「Security」タブまたは「Advanced」→「CPU Configuration」内にあることが多いです。
TPM2.0回避でWindows11をインストールする方法
BIOS設定でTPMを有効化できない場合は、以下の回避方法を使用します。
レジストリ編集で要件チェックを回避する
TPM1.2が搭載されているPCでは、Microsoftが案内しているレジストリ編集で回避できます。
⚙️ 設定手順:
- 「Windows + R」キーを押し、「regedit」と入力してEnter
- 「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup」に移動
- 右クリック→「新規」→「DWORD(32ビット)値」を選択
- 名前を「AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU」に設定
- 値のデータを「1」に設定
- レジストリエディターを閉じて、Windows11のインストールを実行
⚠️ 注意点:
- この方法はTPMが完全に搭載されていないPCでは使用できません
- インストール時に「サポート対象外」の警告が表示されます
Rufusで回避済みインストールUSBを作成する
TPMが搭載されていないPCや、複数の要件を回避したい場合は、Rufusを使用します。
📦 必要なもの:
- 8GB以上のUSBメモリ
- Windows11のISOファイル(Microsoft公式サイトからダウンロード)
- 最新版のRufus
⚙️ 作成手順:
- Rufus公式サイトから最新版をダウンロードして起動
- 「デバイス」でUSBメモリを選択
- 「選択」ボタンをクリックしてWindows11のISOファイルを指定
- 「スタート」をクリック
- 「Windowsユーザーエクスペリエンス」ダイアログが表示される
- 「4GB以上のRAM、セキュアブート及びTPM 2.0の要件を削除」にチェック
- 必要に応じて「オンラインアカウントの要件を削除」にもチェック
- 「OK」をクリックして作成を開始
作成完了後、USBメモリからPCを起動してWindows11をインストールします。
setup /product serverコマンドを使う方法
インストールメディアから直接起動する際に、コマンドオプションを使用して要件チェックを回避する方法です。
⚙️ 実行手順:
- Windows11のISOファイルをマウントするか、インストールUSBを接続
- コマンドプロンプトを管理者として実行
- インストールメディアのドライブに移動(例:「D:」)
- 以下のコマンドを実行:
setup.exe /product server
このコマンドは、Windows Serverのインストールとして振る舞うことで、TPMやセキュアブートのチェックをスキップします。
24H2で回避インストールができない場合の対処法
従来の方法で回避インストールしたWindows11が、24H2へのアップデートで再び弾かれるケースが報告されています。
従来の回避方法が通用しない理由
Windows11 24H2では、インストール時だけでなくアップデート時にもシステム要件のチェックが実行されるようになりました。そのため、23H2まで問題なく使用できていたPCでも、24H2へのアップデートが拒否される場合があります。
Windows Updateで「お使いのデバイスには、このバージョンのWindows11と互換性がありません」と表示される場合は、以下の方法を試してください。
Flyby11を使ったアップデート方法
Flyby11は、非対応PCを24H2にアップデートするために開発されたツールです。
⚙️ 使用手順:
- Microsoft公式サイトから最新のWindows 11 ISOをダウンロード
- Flyby11をGitHubからダウンロード
- Flyby11.exeを実行
- 「Start Upgrade Now!」をクリック
- ダウンロードしたISOファイルをドラッグ&ドロップ
- 画面の指示に従ってアップグレードを実行
ISOファイルから直接アップグレードする方法
ISOファイルをマウントして、setup.exeに特定のオプションを付けて実行する方法も有効です。
⚙️ 実行手順:
- Windows 11 24H2のISOファイルをダウンロード
- ISOファイルを右クリック→「マウント」
- マウントされたドライブを開く
- 「sources」フォルダ内の「appraiserres.dll」を削除またはリネーム
- setup.exeを実行してアップグレードを開始
⚠️ 注意:この方法は将来のアップデートで塞がれる可能性があります。
回避方法を試しても失敗する場合のチェックポイント
上記の方法を試しても成功しない場合は、以下のポイントを確認してください。
Rufusでインストールメディアを作成してもエラーが出る
確認すべき項目:
- 📌 Rufusが最新版か(公式サイトで確認)
- 📌 ISOファイルが破損していないか(再ダウンロードを試す)
- 📌 USBメモリに問題がないか(別のUSBメモリで試す)
- 📌 ウイルス対策ソフトがブロックしていないか(一時的に無効化)
レジストリ編集後も要件チェックで弾かれる
確認すべき項目:
- 📌 レジストリキーのパスが正しいか
- 📌 DWORD値の名前にスペルミスがないか
- 📌 値のデータが「1」になっているか
- 📌 レジストリエディターを閉じた後、PCを再起動したか
インストールは成功したが24H2へアップデートできない
回避インストール後のPCでは、Windows Updateによる24H2へのアップデートがブロックされます。この場合は、Flyby11またはISOからの直接アップグレードを使用してください。
クリーンインストールとアップグレードの違いによる挙動差
| 方法 | 特徴 | 回避の適用範囲 |
|---|---|---|
| クリーンインストール | データをすべて消去して新規インストール | インストール時のチェックのみ回避 |
| アップグレード | 既存のデータを保持したままインストール | インストール時+アップデート時のチェックを考慮 |
アップグレードの場合、24H2以降のアップデートで再度チェックが入る可能性があるため、定期的に新しい回避方法を確認する必要があります。
TPM2.0を回避してWindows11を使うリスク
回避インストールには便利な面がある一方で、いくつかのリスクを理解しておく必要があります。
セキュリティ更新が受けられなくなる可能性
現時点では、回避インストールしたPCでもWindows Updateでセキュリティ更新を受け取れます。しかし、Microsoftは公式に**「サポート対象外」**と明言しており、将来的にアップデートが配信されなくなる可能性があります。
一部機能が制限される
TPM2.0を回避してインストールした環境では、以下の機能が正常に動作しない場合があります。
制限される可能性のある機能:
- 📌 BitLocker(ドライブ暗号化)
- 📌 Windows Hello(顔認証・指紋認証)
- 📌 ValorantなどTPM2.0必須のゲーム
- 📌 一部の企業向けセキュリティ機能
特にValorantは、TPM2.0とセキュアブートを必須としているため、回避環境では起動できません。
将来のアップデートで問題が発生する可能性
24H2で従来の回避方法が通用しなくなったように、今後の大型アップデートでさらに制限が厳しくなる可能性があります。回避インストールを行う場合は、常に最新の情報を確認し、必要に応じて対処法を更新する準備が必要です。
安心して使いたい場合の選択肢として、パソコンの買い換えもご検討ください。
よくある質問
- TPM1.2のPCでもWindows11はインストールできる?
-
レジストリ編集(AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU)を使えばインストール可能です。Microsoft公式が案内している方法であり、TPM1.2以上が条件となっています。TPMが完全に搭載されていない場合はRufusを使用してください。
- 回避インストール後にWindows Updateは受けられる?
-
現時点では通常通りセキュリティ更新を受け取れます。ただし、Microsoftはサポート対象外としているため、将来的に更新が停止される可能性があります。
- Valorantなど特定のゲームが起動しなくなるのは本当?
-
ValorantはTPM2.0とセキュアブートを必須としているため、回避インストール環境では起動できません。ゲーム側のアンチチート機能がシステム要件をチェックしています。
- TPM2.0を後付けで増設することはできる?
-
マザーボードにTPMヘッダーがあれば、専用モジュールを購入して増設可能です。ただし、対応モジュールの入手が難しい場合や、価格が高い場合があります。Intel PTTやAMD fTPMが使用できる場合は、そちらを有効化する方が簡単です。
- 回避方法は違法?ライセンス違反になる?
-
違法ではありません。Windowsのライセンス自体は有効であり、回避インストールによってライセンス違反にはなりません。ただし、Microsoftのサポート対象外となるため、自己責任での使用となります。
まとめ
Windows11のTPM2.0回避ができない場合、まずエラーメッセージを確認して原因を特定することが重要です。「互換性のあるTPMが見つかりません」と表示される場合は、BIOS設定でTPMが無効になっている可能性があるため、メーカー別の手順に従って有効化を試してください。
BIOS設定で解決しない場合は、Rufusでの回避済みインストールメディア作成やレジストリ編集を試します。24H2へのアップデートで再び弾かれる場合は、Flyby11などの新しいツールを使用してください。
回避インストールにはセキュリティ更新の停止リスクや一部機能の制限が伴います。業務用PCやメインマシンでの使用は慎重に判断し、可能であればTPM2.0対応PCへの移行も検討することをおすすめします。
【参考情報】

